付け所(読み)つけどころ

精選版 日本国語大辞典 「付け所」の意味・読み・例文・類語

つけ‐どころ【付所・着所】

  1. つける場所。加えるところ。
    1. [初出の実例]「作り置罪の須彌程あるなれば焔魔の帳に付所なし」(出典:狂歌・古今夷曲集(1666)一〇)
  2. 狙いどころ。注意を向けるべき点。
    1. [初出の実例]「程なく親かたになる人は、気の付所各別なり」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)二)
    2. 「そこが文芸学者の眼のつけどころですが」(出典:文学とは何か(1950)〈加藤周一〉文学とは何であるか)
  3. 雅楽で、独唱または独奏から、斉唱または合奏に移るところ。
  4. 連俳で、付け合いの着目する点。
    1. [初出の実例]「趣向は古き事がらを附ところあたらしく、句づくりめづらしうしたらむぞ」(出典:俳諧・葛の松原(1692))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android