江戸初期の狂歌集。10巻4冊。生白庵行風(せいはくあんこうふう)編。自序、自跋(ばつ)。1652年(承応1)成立、1666年(寛文6)京都安田十兵衛刊。古今上下の作者241人、歌数1050余首を、春、夏、秋、冬、賀付神祇(じんぎ)、離別付羇旅(きりょ)、恋、雑上付物名廻文(ぶつめいかいぶん)、雑下付哀傷釈教に分類・編集し、終わりに作者之目録を添えたもの。狂歌史上初の本格的撰集(せんしゅう)であり、古今の書物34部から作品を採録し、上は親王公卿(くぎょう)から一般人に至るまで、時間的、階層的にきわめて広範に作品を集大成している。同一版木(部分的補刻はある)ながら、書名(『古今狂歌集』と改題した時期がある)や冊数を変えつつ、幕末まで重版されている。
[森川 昭]
『『近世文学資料類従 狂歌編1』(1977・勉誠社)』▽『『狂歌大観1』(1983・明治書院)』
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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