付髪(読み)ツケガミ

デジタル大辞泉 「付髪」の意味・読み・例文・類語

つけ‐がみ【付(け)髪】

毛髪を補うために仮につけそえた髪。そえがみ。
髪を結うときに、余分に入れる髪。入れ毛

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「付髪」の意味・読み・例文・類語

つけ‐がみ【付髪】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 年少者が髪の短いのをかくすため、一時的に付け添えた髪。
    1. [初出の実例]「鬟具は打乱筥に敷檀帋て置也、〈付髪に紫糸、ふつつかによりたる三筋、油壺油綿を入、かうかい一〉」(出典:殿暦‐康和五年(1103)一二月九日)
  3. 髪を結う時、はえぎわや後頭部、両方の鬢(びん)などに添え入れる髪。また、その髪型の人。単に、婦人や頭髪が薄くなった老人などだけではなく、江戸時代には、伊勢参宮などをはじめ必要な場合に、僧侶も行なっていた。付鬢
    1. [初出の実例]「きぼうしに付髪さする柳哉〈夕翁〉」(出典:俳諧・崑山集(1651)二)
  4. 能・歌舞伎などで、頭髪の代わりをする簡単なかつら。特に、江戸初期、前髪を落とした野郎歌舞伎で、額から頭頂部にかけてそり落とした月代(さかやき)をかくすために用いられた。
    1. [初出の実例]「喜阿、尉に成て、麻のつけかみに直面にて、〈略〉かくかくと謡ひし」(出典:申楽談儀(1430)序)

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世界大百科事典(旧版)内の付髪の言及

【鬘】より

…さらに長いかもじ(髢)を継ぎ足したものを長髢(ながかもじ)といい,《葵上》の小書〈空ノ祈(くうのいのり)〉などに用いる。また,《玉葛(たまかずら)》や《蟬丸(せみまる)》のシテ逆髪の宮のように鬘の毛を一握りほど分けて前へ垂らしたものを付髪(つけがみ)または乱髪(みだれがみ)という。老女の髪は姥髪(うばがみ)といい,毛髪が白または〈ごましお〉になるだけで,形はふつうの鬘と似ている。…

※「付髪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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