仙助能(読み)せんすけのう

精選版 日本国語大辞典 「仙助能」の意味・読み・例文・類語

せんすけ‐のう【仙助能】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代、寛政年間(一七八九‐一八〇一)に能に三味線を加え、役者も男女両性によって演じられた、辻能一種。堀井仙助がこれを始めたので、この名がある。江戸時代の幕府式楽として格式化した四座(観世宝生、金春、金剛)と喜多流とに対して、手猿楽として大衆芸能化していった能楽の一分派。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の仙助能の言及

【照葉狂言】より

…江戸末期から明治中期まで行われた民間演芸の一つ。能狂言に歌舞伎,俄(にわか),音曲などを交えたもの。囃子は能の楽器のほかに三味線を加えた。今様能,吾妻能狂言,泉祐(仙助)能(せんすけのう)などと呼ぶのも同系統。名称の由来はわかっていない。嘉永(1848‐54)のころ大坂で始まり,安政(1854‐60)のころから江戸に及び,寄席の芸となった。1894年2月東京の歌舞伎座で,泉祐三郎・さくの夫婦が,3日間にわたり今様能の慈善興行を催した。…

※「仙助能」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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