仙北通(読み)せんぽくどおり

日本歴史地名大系 「仙北通」の解説

仙北通
せんぽくどおり

近世、奥州街道築館つきだて宿(現築館町)から分れ、奥州山脈を越え、出羽秋田藩領の雄勝おがち小安おやす(現秋田県雄勝郡皆瀬村)へ向かう街道であり、現在国道三九八号がほぼこれに相当する。途中、真坂まさか川口かわぐち両宿(現一迫町)を過ぎ、花山はなやま(現花山村)寒湯ぬるゆ番所を過ぎれば、栗駒くりこま山の西を通る長く険しい山路であり、元禄一三年(一七〇〇)の仙台領際絵図(宮城県図書館蔵)によれば、領境までは長さ一千一五〇間もの四段したん坂があった。そして「一宇大難所馬足不叶十月ヨリ三月迄雪積人足不叶」とあるように、普段でも馬は歩けず人の背で荷物が運ばれ、冬は人の往来も不可能となった。

築館宿から西へ一里二一町余で真坂宿である。宿の成立は、「真坂村安永風土記」に寛永一八年(一六四一)の検地以前からの町場とあるように、天正一九年(一五九一)に富塚氏が入って町場の整備が行われたと思われるが、それ以前、松山まつやま道の宿駅としてすでに機能していたとも十分考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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