花山(読み)はなやま

日本大百科全書(ニッポニカ)「花山」の解説

花山
はなやま

宮城県北部、栗原郡(くりはらぐん)にあった旧村名(花山村(むら))。現在は栗原市の西部を占める地域。2005年(平成17)築館(つきだて)、若柳(わかやなぎ)、栗駒(くりこま)、高清水(たかしみず)、一迫(いちはさま)、瀬峰(せみね)、鶯沢(うぐいすざわ)、金成(かんなり)、志波姫(しわひめ)の9町と合併して市制施行し、栗原市となった。秋田県に接し、国道398号が通じる。栗駒(くりこま)山の南麓(なんろく)、一迫川の上流域を占める典型的山村で、古来馬産地として知られたが、現在は林業のほか、米作、畜産などが行われ、ジネンジョ(自然薯)を特産する。江戸期には一迫川に沿って仙台藩領から秋田藩領へ通じる要路にあたり、温湯(ぬるゆ)には旅人を検問する番所が置かれた。かや葺(ぶ)き、伊達(だて)家の紋所のついた四脚門と役宅が残り、仙台藩の寒湯番所跡(ぬるゆばんしょあと)として国の史跡に指定されている。栗駒山麓は栗駒国定公園域で、温湯、湯ノ倉(ゆのくら)、湯浜(ゆのはま)の温泉があり、登山者や湯治客を集める。1958年(昭和33)一迫総合開発事業の一環として花山ダムが完成した。青少年旅行村や国立花山青少年自然の家があり、過疎に悩む地域は観光を中心に大きく変貌(へんぼう)しようとしている。御嶽山(みたけやま)のアズマシャクナゲ自生北限地帯は国指定天然記念物。

[境田清隆]

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精選版 日本国語大辞典「花山」の解説

か‐ざん クヮ‥【花山】

[1] 〘名〙
① (古くは「かさん」) 花がたくさん咲いている山。
※謡曲・金札(1384頃)「春は花山の木を切れば」
② 香木の名。分類は伽羅(きゃら)
[2] (「かさん」とも)
[二] 京都市山科区の地名。元慶寺(花山寺)、京都大学花山天文台がある。はなやま。

はな‐やま【花山】

[1] 〘名〙
① 桜の花の咲いている山。
※俳諧・詞林金玉集(1679)四「花山やかならずふかであらしませ〈西鬼〉」
② 芸娼妓の置屋で、花代を数えるための線香を立てる所。せんこうば。
※滑稽本・無飽三才図会(1850)三「線香花は四面の島島なる花山に生出る故」
③ 置屋。また、花柳界。
※滑稽本・無飽三才図会(1850)二「華山(ハナヤマ)に育に奉公猿、年を経て狒狒(ひひ)となる」
[2] 京都市山科区の西部にある花山(かざん)地区の別称。上花山・北花山に分かれる。元慶寺(花山寺)がある。花山天皇の出家・譲位の場所。はなのやま。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「花山」の解説

花山
はなやま

宮城県西部栗原市西部の旧村域。一迫川 (いちはさまがわ) の上流域栗駒山 (1626m) の南斜面にある。北は秋田県に接する。 1889年発足。 2005年築館町,若柳町,栗駒町,高清水町,一迫町,瀬峰町,鶯沢町,金成町,志波姫町と合体して栗原市となった。江戸時代には仙台藩の花山番所が置かれた。大部分が山岳地帯で,林業が盛ん。丘陵地は集約畜産地帯を形成。農産物は米,ダイズ,野菜が主。南部の花山湖周辺は自然休養施設があり,一迫川に沿って国道 398号線が村域を北上し,秋田県に通じる。渓谷に沿って温湯温泉,湯ノ倉温泉,湯浜温泉などの温泉 (→栗駒五湯 ) がある。南東にある花山ダムは多目的ダムで 1958年完成。北東部の栗駒山南麓一帯は,栗駒国定公園に属する。アズマシャクナゲ (→シャクナゲ ) 自生北限地帯として国より天然記念物の指定を受けている。

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