日本歴史地名大系 「伊実郷」の解説 伊実郷いきみごう 山口県:周防国玖珂郡伊実郷「和名抄」高山寺本・刊本ともに「伊実」と記し、いずれも訓を欠く。一般的には、「伊にイキの音なし。伊岐実の中略とすべきや」とする「大日本地名辞書」の考えが定説になっている。現美和(みわ)町生見(いきみ)の八幡宮所蔵の久寿二年(一一五五)九月の文書にみえる「伊木見郷」は、郷名「伊実」の遺名とみられるところから、現美和町の生見・下畑(しもはた)・阿賀(あか)から秋掛(あきがけ)・北中山(きたなかやま)にわたる一帯が郷域に比定されている(大日本地名辞書、防長地名淵鑑、山口県文化史)。しかし、「伊実(實)」は「伊宝(寶)」の誤りとして、熊毛(くまげ)郡伊保庄(いほのしよう)(現柳井市)を郷域に擬する説(日本地理志料)も捨てがたい。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報