朝日日本歴史人物事典 「伊藤軍兵衛」の解説
伊藤軍兵衛
生年:天保11.11(1840)
幕末の信濃国松本藩(長野県)藩士。尊攘派志士。文久1(1861)年5月28日,イギリス公使館にあてられていた高輪東禅寺を水戸浪士が襲撃した。第1次東禅寺事件である。翌2年8月幕命により松本藩が大垣・岸和田両藩と共に東禅寺警衛に当たるに際し,警衛隊に編入された。折から水戸浪士の再襲撃の噂があり,攘夷の心情を高ぶらせて実行を決意。第1次東禅寺事件より1年後,その同じ日を期すかのように単身東禅寺に斬り込み,藩邸にて自刃。23歳。死体は外国人の検分ののち小塚原の刑場に送られた。
(井上勲)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報