ビクトリア時代(読み)ビクトリアじだい(英語表記)Victorian Age

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビクトリア時代」の意味・わかりやすい解説

ビクトリア時代
ビクトリアじだい
Victorian Age

ビクトリア朝とも呼ばれる。イギリス史上におけるビクトリア女王の治世 (1837~1901) 。イギリスが世界で優位を保ち,国内では自由主義が発達した時代。政治では自由党保守党による政党政治が行われ,議会改革が進められて (1867,84) ,政治の民主化をみた。経済ではイギリスは「世界の工場」として繁栄。自由貿易主義をとり,穀物法廃止英仏通商条約などを締結。しかし 1870年代からは大不況に見舞われ,社会面では労働組合が発展,公認される一方,初等教育法 (71) により国民教育が普及した。対外的にはアジア,アフリカにその勢力を広げると同時に,カナダなど白人植民地には自治を承認。強力な海軍力とヨーロッパ列強の勢力均衡を背景に,パックス・ブリタニカと呼ばれる平和を享受した。イギリスにとって繁栄と栄光の時代であったが,アイルランド問題では W.グラッドストンが議会に提出した自治法案が否決され,問題を後世に残した。

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