20世紀日本人名事典 「伊谷以知二郎」の解説
伊谷 以知二郎
イタニ イチジロウ
明治・大正期の水産学者 大日本水産会会長。
- 生年
- 元治1年12月3日(1864年)
- 没年
- 昭和12(1937)年3月30日
- 出生地
- 江戸
- 出身地
- 紀伊国(和歌山県)
- 旧姓(旧名)
- 田中
- 学歴〔年〕
- 水産伝習所〔明治23年〕卒
- 経歴
- 和歌山藩士・田中伝の二男として生まれ、のち同藩伊谷久吉の養子となる。明治21年大日本水産会が創立した水産伝習所に第1期生として入学し、23年卒業、大日本水産会録事となる。下啓助とともに「水産拡張意見」を発表し、26年水産伝習所所長に就任。技術教育者として水産製造学を教授、日清戦争には軍用缶詰献納運動を企画する。30年農商務省が水産伝習所を吸収して水産講習所(のち東京水産大学)と改めると、水産局勤務となり引き続き教育に携わり、大正6年水産講習所所長となる。13年退任。のち日本勧業銀行理事、日本缶詰協会副会長を経て、昭和3年大日本水産会会長、7年日本水産学会会長などを務めた。樺太遠淵湖の海藻から良質の寒天が得られることを発見し、伊谷草の和名が与えられなど、日本の近代漁業振興の功労者として知られる。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報