伊賀良庄(読み)いがらのしよう

日本歴史地名大系 「伊賀良庄」の解説

伊賀良庄
いがらのしよう

「門葉記」所載の「妙香院荘園目録」に、「信濃国伊賀良庄 在伊那郡」とあるのが初見である。康平六年(一〇六三)頃には近江国妙香みようこう院領であったことが知られる。妙香院は元三大師良源の開基、摂関家藤原氏の門跡寺院である。その後、「吾妻鏡」文治二年(一一八六)三月一二日条の乃貢未済庄々注文には「尊勝寺領伊賀良庄」とあり、京都六勝寺の一つである尊勝寺そんしようじ領になったことを示している。ところが同書の同四年六月四日条の後白河法皇院宣では、当庄は八条院(鳥羽天皇の第三皇女子内親王)領になっている。八条院以後の伝領関係は不明である。

「中右記」永久二年(一一一四)の条には、「尊勝寺領信濃庄」の年貢が、貢上の途中で美濃国で強盗のために奪われたことを記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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