伸伸・延延(読み)のびのび

精選版 日本国語大辞典 「伸伸・延延」の意味・読み・例文・類語

のび‐のび【伸伸・延延】

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① (伸伸) 障りなく伸びるさま、成長するさまを表わす語。
落窪(10C後)二「足手あはせて、いとよくのびのびして」
② (伸伸) 人の気持や性格、作風などが、ゆったりとして落ち着いている感じであるさま、くつろいでいるさまを表わす語。
史記抄(1477)六「高祖はのひのひとして大度にきこへたぞ」
※三四郎(1908)〈夏目漱石〉「気が暢(ノ)び暢(ノ)びして魂が大空程の大きさになる」
③ (延延) 長々としてはかどらないさまを表わす語。ぐずぐず。
太平記(14C後)一九「延々(ノビノビ)としたる評定のみ有て、誠に冷(すず)しく聞えたる」
[2] 〘形動〙
① (伸伸) (一)②に同じ。
曾我物語(南北朝頃)四「のびのびの御心なるべしとおもひつるに」
② (延延) (一)③に同じ。
明徳記(1392‐93頃か)中「一番勢残すくなく討れ給て候物を、などや加様にのびのびにて御渡候ぞ」
③ (延延) 期限や時期が何度も先に延びるさま。また、延ばすさま。
人情本・閑情末摘花(1839‐41)初「御当人が余まりお否(いや)がり遊ばすものだから、延々(ノビノビ)に成て居ますけれど」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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