評定(読み)ひょうじょう

精選版 日本国語大辞典 「評定」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐じょう ヒャウヂャウ【評定】

〘名〙
評議して取捨、よしあしなどを決定すること。相談すること。
延喜式(927)一九「後更定日。卿以下与文章博士及儒士二三人等共評定之
※後鳥羽院御口伝(1212‐27頃)「哥の評定の座にても申しき」
② 平安時代以降、親王および公卿が、清涼殿の御前座に列席して臨時に緊急の大事をはかり定めたこと。
※園太暦‐貞和元年(1345)二月二一日「今日即行評定、其後又行始、向武蔵守師直宅云々」

ひょう‐てい ヒャウ‥【評定】

〘名〙
評価を定めること。一定尺度に従って価格品質などを評価決定すること。
五山堂詩話(1807‐16)二「余於仙台三詩人焉〈略〉皆以詩属余評定
国家公務員法(1947)七二条「定期的に勤務成績の評定を行い」

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デジタル大辞泉 「評定」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐じょう〔ヒヤウヂヤウ〕【評定】

[名](スル)皆で相談して決めること。「小田原評定
[類語]相談打ち合わせ下相談談合示談話し合い合議協議商議評議鳩首きゅうしゅ凝議ぎょうぎ内談用談来談商談額を集める膝を交える話し合う打ち合わせるはかはからう

ひょう‐てい〔ヒヤウ‐〕【評定】

[名](スル)一定の基準に従って価値・価格・等級などを決めること。「勤務成績を評定する」
[類語]認定判定査定

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改訂新版 世界大百科事典 「評定」の意味・わかりやすい解説

評定 (ひょうじょう)

鎌倉幕府では,執権北条泰時の時代に,有力御家人と事務練達者とが幕政に参画すべきメンバーとして選任されて,評定衆と称された。以後,執権連署と15名前後の評定衆とで行う評定が,幕府の最高決裁機関となった。御家人の所領に関する訴訟は,専門の裁判機関である引付での審理を経たのち評定にかけられる定めであり,これを評定沙汰と称した。朝廷においても後嵯峨院政期に,若干名ずつの上流廷臣と実務家中流廷臣とから成る評定衆が置かれた。この評定衆による評定は,奏事とならぶ政務処理の二大ルートの一つとして,鎌倉時代を通じて独自の発達を遂げた。鎌倉幕府の評定制はおおむね室町幕府に引き継がれたが,しだいに衰退した。江戸幕府では特殊な裁判機関として評定所が存在した。寺社・町・勘定の三奉行が主たる構成員で,個々の役所で扱いきれない事件を審議した。また老中からの諮問に対して評議・答申した。
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普及版 字通 「評定」の読み・字形・画数・意味

【評定】ひようてい

評議して決定する。

字通「評」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の評定の言及

【御前沙汰】より

…室町幕府において,将軍の臨席を得るか,将軍の裁可を得る手続きを伴って行われる評定(ひようじよう)。初期には見られず,15世紀初頭,足利義満の晩年ごろより見られる。…

※「評定」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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