日本歴史地名大系 「但馬考」の解説
但馬考
たじまこう
一〇巻 桜井良翰編
成立 宝暦一〇年自序
写本 国立国会図書館・国立公文書館内閣文庫ほか
解説 出石藩の儒官であった編著者が藩主仙石政辰の命を受けて編んだ但馬国の地誌。制度(巻一)・年代(巻二)・地理(巻三―九)・人物(巻一〇)の編目に分つ。制度では国守・風土・物産などの細目を立て、年代では記紀から始めて天正一一年まで、但馬国関連の事項を編年体で記述する。地理は朝来以下但馬国八郡の郡ごとの地誌で、人物は三宅連から沢庵まで二七人の略伝を記す。記述は史料考証を経たうえでなされており、但馬国地誌の白眉と称される。明治二七年には活字本が刊行され、大正一一年には著者の玄孫桜井勉が校訂増補した「校補但馬考」が出版されている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報