日本大百科全書(ニッポニカ) 「住吉物語絵巻」の意味・わかりやすい解説 住吉物語絵巻すみよしものがたりえまき 『住吉物語』に取材した絵巻。現在、東京国立博物館の一巻、東京・静嘉(せいか)堂の二巻の各残欠が残り、このほか断簡が諸家に伝わっている。静嘉堂本は、正月の子(ね)の日に嵯峨野(さがの)で遊ぶ姫君を少将がかいまみて見そめる話、継母に虐げられる姫が住吉に逃れ隠棲(いんせい)する話、東博本は、姫君を恋慕する少将がその居所を捜し当てめでたく結ばれる一段を描く。2本の絵は別筆であるが、ともに鎌倉後期(14世紀)の作で、濃彩を駆使したこの時代の物語絵巻の典型作といえる。[村重 寧][参照項目] | 住吉物語 『住吉物語絵巻』 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例