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住吉物語 すみよしものがたり

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

住吉物語
すみよしものがたり

鎌倉時代前期の擬古物語。作者,成立年未詳。2巻。平安時代『源氏物語』枕草子』以前に同名の物語があったが散逸。現存作はその改作か。左衛門督の姫が継母の奸計を避けて家出し,住吉の尼のところに身を寄せるが恋人に迎えられて帰京,幸福な生活に入り継母は報罰を受ける。

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デジタル大辞泉の解説

すみよしものがたり【住吉物語】

鎌倉初期の物語。2巻。作者・成立年未詳。源氏物語枕草子に名がみえるが、現存の物語は改作といわれる。中納言の姫君は継母の悪計を避けて住吉の尼のもとに身を寄せるが、長谷観音の利益(りやく)で少将と結ばれる。継子(ままこ)いじめの物語の代表作。絵巻にも作られる。

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百科事典マイペディアの解説

住吉物語【すみよしものがたり】

もとは平安時代の物語。《落窪(おちくぼ)物語》と同系の継子(ままこ)いじめ物語で,実母を失い継母に引き取られた姫君が,継母の妨害にあいつつもついに貴公子の少将に愛されて栄華をきわめ,継母は零落するという筋。

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世界大百科事典 第2版の解説

すみよしものがたり【住吉物語】

平安時代の物語。作者不詳。現存本は鎌倉初期の改作とするのが通説。流布本は上下2巻。実母を失った継子の姫君に求婚者が現れ,結婚の幸福が得られそうになるとそのつど継母が妨害する。たまりかねた姫君は実母の乳母(尼)を頼って住吉へ身を隠す。求婚者(少将)はほうぼうを探した末に住吉へ参籠して夢告を得,姫君と再会,ともに都へ帰って幸福な結婚生活を営む。継母は零落して死ぬ。典型的な継子いじめ譚であるが,実はそれを枠組みとして忍苦の男女が結婚に至る過程をこまやかに描こうとし,あわせて長谷観音の霊験を唱導した作である。

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大辞林 第三版の解説

すみよしものがたり【住吉物語】

物語。二巻。作者・成立年代とも未詳。平安前期の同名の物語を改作したものらしく、異本がきわめて多い。継子いじめ譚たんに長谷観音の利生りしよう説話を交える。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

住吉物語
すみよしものがたり

鎌倉時代に改作された物語。二巻。原作は平安時代の『枕草子(まくらのそうし)』『源氏物語』以前、10世紀末に成立したが、いまは伝わらない。継子(ままこ)いじめの物語の代表作で、時代にあわせて改変を受けながら読み継がれてきた作品である。粗筋は変わらないものの、本によって記事の出入りが多く、文章にも違いがある。中納言(ちゅうなごん)兼左衛門督(さえもんのかみ)の宮腹の姫君は求婚者の四位少将(しいのしょうしょう)を継母腹の妹に横取りされる。人違いと知った少将にふたたび求愛されるが、外聞をはばかって応ぜず、継母のたび重なる悪計を避けて住吉の尼君のもとに身を寄せる。少将は長谷寺(はせでら)で夢想を得て姫君を尋ねあて、妻として自邸に迎える。男君、女君が生まれ、袴着(はかまぎ)の祝いのときに姫君と中納言の父子再会がかない、継母の旧悪が暴露される。少将は関白、姫君は北の政所(まんどころ)、男君は元服して三位(さんみ)中将、女君は裳着(もぎ)ののち女御(にょうご)となって栄える。姫君に忠実に仕える乳母子(めのとご)の女房侍従(じじゅう)の活躍も見逃せない。[三角洋一]
『桑原博史著『中世物語研究――住吉物語論考』(1967・二玄社)』

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