佐加野村(読み)さがのむら

日本歴史地名大系 「佐加野村」の解説

佐加野村
さがのむら

[現在地名]高岡市佐加野・国吉くによし

小矢部おやべ川左岸に位置し、西は答野島とうのしま村。佐俄野・嵯峨野・佐賀野などとも書いた。氷見ひみ道が通り、その宿駅として栄えた。正保四年(一六四七)の「越中道記」によると、答野島村から当地まで四町四八間、当地から岩坪いわつぼ村まで一〇町一二間。小矢部川左岸に沿う道筋は、古くから重要であった。延徳三年(一四九一)三月一三日、蓮沼はすぬま(現小矢部市)を船で出発した冷泉為広は「サガ野里」などを経て放生津ほうじようづ(現新湊市)に至っている(越後下向日記)。慶長一一年(一六〇六)六月、さかの村百姓中に国吉の野開新開が許された(「新開許可状」木倉氏筆写史料)。また同月二〇日の市立申付状(同史料)には「国吉の内さか野村」とみえ、市立てが許されたが、市は二・五・八の日の九斎市であった。正保郷帳では高六八八石余、田方二二町五反余・畑方二三町四反余で、細池ほそいけ村・阿子田村・島崎しまさき村・荒屋あらや村の名が注記されている。また続いて「国吉十弐ケ村分」として新田高五〇石、国吉定のうち高辻たかつじ村・八口やつくち村・答野島村作人分として新田高二〇石余を記載。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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