デジタル大辞泉
「小矢部川」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
小矢部川
おやべがわ
富山県・石川県境の大門山(一五七一・六メートル)に発し、礪波平野を北流する一級河川。五九の支流を有する。県境分水嶺沿いに渓谷を流れ下り、福光町付近より平地河川となり、福野町で山田川、小矢部市で渋江川・子撫川、福岡町で岸渡川などの支流を集め、庄川扇状地の末端を曲流しながら千保川を高岡市で合せ富山湾に注ぐ。流路の七〇パーセントが平野部を流れるため、下流部は県内では珍しい緩流河川となっている。流域面積六六七平方キロ、流路延長六八キロ。源流付近は白山系の噴出岩のため、かなり急峻で、流路は急勾配で各所に小規模な砂防ダムが築かれている。西部には標高一〇〇〇メートル以下の加賀山地と宝達丘陵が広がり、軟弱な第三紀層で構成されている。南部の飛騨山地は庄川上流と共通し、中生代の手取層群よりなるため浸食されやすく、下流は広大な平野をつくっている。庄川から運ばれてきた砂礫によってできた大扇状地の発達によって、流路は西側の山麓へ押しやられ、下流で大きく蛇行している。小矢部川によって形成された平野が狭いのは、庄川扇状地の堆積面があまりにも大きかったためである。
古くは小矢部市津沢南方で庄川と合流し、礪波平野の西部低地を流れていたとされる。東を流れる庄川に比べて河床はかなり低く、山田川との合流点で標高約五〇メートルである。そのため小矢部川は古くから水運に利用された。国守大伴家持が詠んだ射水川(伊美都河泊)は(「万葉集」巻一七)、庄川と合流した小矢部川の下流のこととされる。「源平盛衰記」巻二九には「小矢部の河原」とみえ、また近世の河川関係史料も小矢部川とよんでいるが、地域によってはその土地の独自な呼び方があり、たとえば近世中期の調査では福光村付近では福光川とよんでいた(越中志徴)。
〔地域の動脈〕
「万葉集」には大伴家持の、射水川に川船が活躍した様子の歌も載る。国守家持の館は射水川の近くにあり、したがって小矢部川・射水川は古代越中の中心動脈であったといえよう。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
Sponserd by 
小矢部川
おやべがわ
富山県の西部を流れる川。一級河川。県の南西端、石川県境の大門(だいもん)山(1572メートル)の東斜面から流れ、礪波平野(となみへいや)の西を山麓(さんろく)寄りに南砺(なんと)市、小矢部市、高岡市域を流れて富山湾に注ぐ。途中打尾(うちお)川、山田川、渋江(しぶえ)川など多くの支流を合する。延長68キロメートル、流域面積667平方キロメートル。江戸時代には河口から津沢(つざわ)まで年貢米などを運ぶ舟運の便があった。庄(しょう)川扇状地の末端に沿って流れるため礪波平野の農業用水などの排水河川となっている。上流に多目的の刀利ダム(とうりだむ)があり、下流域に灌漑(かんがい)用水を供給するとともに、県営の小矢部川第一と第二発電所がある。河口は伏木(ふしき)港となっており、高岡市街から伏木までの流域は各種の工場が多い工業地帯である。
[深井三郎]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
Sponserd by 
小矢部川 (おやべがわ)
富山県西部,砺波(となみ)平野の西を流れて富山湾にそそぐ川。源は石川県境の大門山で,幹川流路延長68.2km,全流域面積667km2。明治末に庄川河口を東方につけかえるまで,河口近くで庄川が合流し,それから下流を射水(いみず)川と称していた。渋江川,山田川,旅川,子撫(こなで)川などの支流がある。藩政時代舟運に利用され,石動(いするぎ),福光,津沢などの町を発達させた。高岡市の発展に大きな役割を果たした伏木港はこの川の河口西岸につくられ,港を中心に大規模な工業地域が形成されている。灌漑用水としても重要であるが,かつては洪水と水不足に悩まされた。1967年上流の福光町(現,南砺市)刀利にアーチ式ダムが建設された。
執筆者:藤森 勉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
Sponserd by 
小矢部川
おやべがわ
富山県西部を流れる川。全長約 68km。両白山地の大門山 (1572m) に源を発し山田川,渋江川,子撫川などの支流を合せ,北流して富山湾に注ぐ。下流部に庄川とともにデルタをつくり,河口左岸に高岡市の伏木港と工場地域がある。緩流で水量が豊富なため鉄道敷設以前は本支流とも舟運がよく,沿岸に石動 (いするぎ) ,津沢,福光などの河港が発達していた。小矢部川総合開発計画により福光町刀利 (とうり) に 1967年アーチ式ダムが建設された。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
Sponserd by 