朝日日本歴史人物事典 「佐藤中陵」の解説
佐藤中陵
生年:宝暦12.2.11(1762.3.6)
江戸後期の本草学者。江戸青山に生まれ,植樹家(植木屋)の出身。名は成裕,通称平三郎,中陵は号。全国各地を旅行して物産を調査し,実地経験を積んで独力で本草学を学ぶ。練達の物産家として知られる。天明1(1781)年から薩摩,米沢,会津,備中松山の諸藩主に招かれ,各藩内の産物調査に従事。著述は『薩州産物録』『採薬録』『金薯録』『飼籠鳥』など数多く,特に随筆集『中陵漫録』は諸国で見聞した雑事や各藩の産物など順序なく記され,興味深い。寛政12(1800)年から水戸藩に仕え,同地で没した。<参考文献>上野益三『日本博物学史』『薩摩博物学史』
(石山禎一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報