朝日日本歴史人物事典 「佐藤藤蔵」の解説
佐藤藤蔵
生年:享保3(1718)
江戸中期,砂防植林の功労者。出羽国酒田町(山形県酒田市)の町人。重好,のちに藤太夫と称した。父は藤左衛門重光。酒田西浜砂地の飛砂は凄まじく,農村部への被害は甚大であった。庄内藩郡代服部外右衛門は,その荒廃対策の急を痛感し,砂防林の必要性を説いた。この求めに応じて延享2(1745)年,藤蔵は父と共に植林事業に着手,同4年には藤崎村(飽海郡遊佐町)を開いた。宝暦1(1751)年酒田町大火で家屋を失い,同5年一家で藤崎村に移住,以後も植林事業に尽力した。近隣二十数カ村の協力を得て,植林のみならず新田畑の開発にも成功した。<参考文献>『酒田市史』上
(渡辺英夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報