佐野川村(読み)さのがわむら

日本歴史地名大系 「佐野川村」の解説

佐野川村
さのがわむら

[現在地名]藤野町佐野川

相模国の最北に位置し、東は武州上恩方かみおんがた(現東京都八王子市)、西は甲州上野原うえのはら村・棡原ゆずりはら(現山梨県北都留郡上野原町)、南は沢井さわい村・小淵おぶち村、北は武州檜原ひのはら(現東京都西多摩郡檜原村)に接する。村内を甲州上野原より武州八王子へ通じる脇往還が走り、この道は佐野川往還とも案下あんげ往還とも称した。この道の武州境には和田わだ峠がある。古くは狭野川とも記した(風土記稿)。永正一七年(一五二〇)三月二五日付旦那譲状(熊野那智大社文書)に「相州奥三保之事」として「日向六ケ村」の一つ「佐野川村」がみえる。小田原衆所領役帳には「佐野川之村」として「六貫五百文 守屋若狭守、弐貫八百文 同四郎左衛門、七貫文 同大炊助、三貫文 同雅楽助、以上拾九貫三百文」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報