体感映像(読み)たいかんえいぞう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「体感映像」の意味・わかりやすい解説

体感映像
たいかんえいぞう

疑似環境の中でさまざまな感覚を刺激し,迫真的な体験をさせるシステム。 20世紀における各種メディアの登場・発達は,現実の疑似的再現が高度化していく過程であった。映画史におけるトーキー化,カラー化,大型化という歩みは,その動向と符合している。こうした流れの中から,3D方式やホログラフィーによる立体映像や,70ミリフィルムの高精細度映像など,きわめて臨場感の高い画像も出現するようになった。さらに,最近,疑似現実の創造は,映像を取り囲む環境そのものにまで及び,視覚だけでなく,あらゆる感覚を刺激し,観客に迫真的な世界を体感させるシステムが,娯楽施設を中心に相次いで誕生してきている。本来は飛行訓練用に開発されたものが多く,東京ディズニーランドの「スター・ツアーズ」などはその典型で,宇宙船に乗り込むと,宇宙旅行の映像が流れ,これと船体の動きが同調,身体には遠心力や重力加圧まで加わってくる。これに続く体感映像システムとして,高精細度映像,可動式シート,6チャンネルサラウンド音響を組み合わせた「ダイナミック・モーション・シミュレータ;DMS」も既に登場してきており,シミュレーションによる疑似体験は,ますますリアルなものになりつつある。

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