精選版 日本国語大辞典の解説
〘代名〙 不定称。人を表わす場合と、方角、方面を表わす場合とがある。助詞「にも」の下接する事が多い。
① どちらの人(にとっても)。
※源氏(1001‐14頃)浮舟「いづかたさまにも、いとほしくこそは、ありとも、防ぐべき、人の御心、ありさまならねば」
② いずれの面(につけても)。
※紫式部日記(1010頃か)寛弘六年正月「心ざまなどもめやすく、露ばかりいづかたざまにもうしろめたいかたなく、すべてさこそあらめと、人のためしにしつべき人がらなり」
〘代名〙 (「さま」は接尾語) 不定称。「どなた(何方)②」にさらに敬意を添えたもの。
※咄本・軽口露がはなし(1691)四「もうし、おまへはそんぜうどなた様にては御座らぬか」
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