日本歴史地名大系 「余慶寺」の解説 余慶寺よけいじ 岡山県:邑久郡邑久町上寺村余慶寺[現在地名]邑久町北島 上寺山天台宗の古刹。山号は上寺山、本尊は千手観音。延宝元年(一六七三)の住持其隆の文撰になる由緒書(寺蔵)などによると、当寺ははじめ日待山日輪(にちりん)寺と称し、平安時代に慈覚大師が再興して本覚寺とし、その後余慶寺と改称した。また草創は天平勝宝元年(七四九)のことで、備前出身の報恩大師が開創したいわゆる備前四八ヵ寺の一つで、孝謙天皇の勅願寺に列し、本尊千手観音像は伝教大師作という。この開創の寺伝を証する確実な他の史料はないが、とくに中世以降、当寺が備前の密教と観音信仰の中心寺院の一つとして諸方の信仰を集め繁栄したことは確実である。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by