ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「作徳」の意味・わかりやすい解説
作徳
さくとく
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…また小農生産力の上昇は手作大経営を縮小させ,その分を小作に出して,いわゆる第2次名田小作の形態を発生させた。【安孫子 麟】
[近世小作制度の諸相]
近世の小作については最も体系化された地方書である《地方(じかた)凡例録》では,〈自分所持の田畑を居村・他村たりとも他の百姓へ預け作らせ,又は田畑を質地に取り,元地主にても別人にても小作させ,年貢の外に余米又は入米などゝと云て,壱反に何程と作徳を極め作らするを云,元来は佃と云ものなれども,世俗小作と唱へ来る〉と述べており,預作,下作,掟作,請作,卸作,掛け放ちなどとも呼ばれた。小作地の大部分は田畑であるが,屋敷地,山林などの地目も対象となり,一部の地域では牛馬などの家畜も小作の対象となっている。…
…村請新田,百姓寄合新田,町人請負新田は,幕府や諸藩によって民間の資本を活用する政策のもとで推進された開発形態である。とりわけ町人請負新田においては有力商人が多量の遊休資本を新田開発に投資し,新田小作人から小作料を徴収する町人地主となり,鍬下年季の間に新田に投下した資本の回収を終え,その金利分は小作料から幕藩領主への年貢を差し引いた残額(作徳(さくとく))をあてる小作経営である。 土地集積地主は農民層の分化に基づいて発生したものであり,田畑屋敷地の移動を前提にしている。…
※「作徳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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