価格の硬直性(読み)かかくのこうちょくせい(その他表記)price rigidity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「価格の硬直性」の意味・わかりやすい解説

価格の硬直性
かかくのこうちょくせい
price rigidity

需給関係の変動があるにもかかわらず,価格の変動があまりみられないこと。物の価格は需要供給を上回ると上昇し,供給が需要を上回ると低下するものと考えられる。しかし現実には寡占状態あるいは生産者のカルテル行為などによって,必ずしも需給関係の変化が価格を変動させるとはいえない。特に,下がるべき価格が下がらない場合を下方硬直性という。たとえば,労働市場において労働供給がある一定賃金以下ではゼロになるとき,すなわち労働供給曲線が水平部分をもつ場合,賃金はこの一定水準を下回らない。これは賃金の労使交渉など多分に制度的要因が作用している。ケインズは,このような賃金の下方硬直性を,失業の発生の一要因として扱った。

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