保障措置協定(読み)ほしょうそちきょうてい(その他表記)safeguards agreement

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「保障措置協定」の意味・わかりやすい解説

保障措置協定
ほしょうそちきょうてい
safeguards agreement

原子力発電など平和目的の原子力利用が核兵器の製造などに軍事転用されることを防止するため,国際原子力機関 IAEAによる査察などについて定めた取決め。保障措置には,核兵器不拡散条約 NPTに基づき,その国のあらゆる核物質などを対象にフルスコープ・セーフガードと,二国間条約などに基づき特定分野のみに対する個別の保障措置があるが,現在では一部の国を除いてほとんどの国は NPTに基づく保障措置の適用を受入れている。保障措置は原子力施設・在庫目録などの情報提供,核物質の計量,運転記録の作成・報告,核物質の封じ込め・監視,現地査察などの方法によって行われる。 IAEAの保障措置制度は,基本的には条約締約国の申告に基づく核物質・施設を対象としており,秘密裏の核開発を完全に防止できる制度にはなっていないため制度の見直し,強化がはかられつつある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android