デジタル大辞泉
「保障措置」の意味・読み・例文・類語
ほしょう‐そち〔ホシヤウ‐〕【保障措置】
ウランやプルトニウムが平和的利用から核兵器製造などの軍事的目的に転用されないことを確認するための措置。国際原子力機関(IAEA)の査察官が原子力施設に立ち入り、核物質計量を測定・記録して国やIAEAに報告し、必要に応じて国やIAEAの査察が実施される。このIAEAの査察を俗に「核査察」、査察官を「核査察官」という。日本は昭和51年(1976)核不拡散条約(NPT)を批准し、これによってIAEAとの間で協定を結んでIAEAの保障措置を受け入れることとなった。
[補説]各国が申告した施設を対象とする「特定査察」、軍事不転用を確認するために定期的に実施する「通常査察」、申告内容が不十分な場合に当該国の同意を得て追加的に実施する「特別査察」がある。IAEAは未申告の施設に対しても特別査察を行うことができる。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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保障措置
ほしょうそち
safeguards
軍縮,軍備規制,原子力国際管理などに関する条約その他を結んだ場合,その約束が締約国によって正当に履行されることを保障するために実施する国際的な監視,記録検査,現地査察などの措置。すでに 1946年1月 24日の国連総会で創設された国連原子力委員会に,任務の一つとして保障措置を講じることが定められており,68年7月1日に結ばれた核兵器不拡散条約は,その第3条で保障措置について詳しく規定し,非核兵器国における平和利用の原子炉にたまるプルトニウムが軍事利用に転換されるのを防止するようにした。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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