偏極ビーム(読み)へんきょくビーム(その他表記)polarized ion beam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「偏極ビーム」の意味・わかりやすい解説

偏極ビーム
へんきょくビーム
polarized ion beam

核反応実験に用いる入射粒子ビームで,粒子核スピンの向きをそろえたもの。通常,ビーム中の粒子の核スピン方向は可能な方向のすべてに統計的に一様に分布している。イオン源磁場を加え,粒子の外殻電子スピン一方向にそろえ,高周波磁場によって電子のスピンと核スピンとの相互作用を利用して核スピンをそろえる。このようなイオン源を偏極イオン源という。ここから出た粒子を加速器に導くと,偏極ビームを生じる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android