山川 世界史小辞典 改訂新版 「偽イシドール文書」の解説
偽イシドール文書(ぎイシドールもんじょ)
Pseudo-Isidore Decretals
9世紀中頃不詳の作者によって編纂された教令集。7世紀に実在した大司教イシドルスと5世紀のメルカトリウスの名をつけて呼ばれ,中世全般を通じて真実のものと信用されていたが,15世紀以後ニコラウス・クザーヌスらによって偽作であったことが証明された。内容の3部中第2部を除き第1,第3部に100以上の偽教令を含み,教皇権の擁護と教会法の統一を目的としてつくられた。ローマ皇帝の譲歩を示したとされる「コンスタンティヌス帝寄進状」などが含まれる。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報