債務免除(読み)さいむめんじょ(その他表記)debt reduction

翻訳|debt reduction

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「債務免除」の意味・わかりやすい解説

債務免除
さいむめんじょ
debt reduction

債権者が無償で債権を消滅させること。累積債務国のような過重な債務を負う債務者に対し債務を軽減すると,残存債務の市場価値が軽減額以上に高まったり,あるいは自立が早められることにより将来の資金援助必要額が減少することがある。このような場合には,債権者が自発的に債務免除に応ずる可能性がある。その一方で債務軽減措置は,返済見込みがないにもかかわらず借りる「モラル・ハザード」の問題を生じさせたり,債務国の自助努力への意欲をそぐことになりかねない。また債務免除に応じない一部債権者がほかの債権者の債務免除によって利益を得ることを防ぐ必要もある。このため国際通貨基金 IMFなどの国際機関やパリクラブなどの場で,債権国・債務国双方が交渉したうえで免除が行なわれている。(→累積債務問題

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android