光ルーター(読み)ひかりるーたー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「光ルーター」の意味・わかりやすい解説

光ルーター
ひかりるーたー

光信号を電気的な処理をせず、そのまま制御するルーター(パケットスイッチ)。ただし2010年(平成22)時点で実用化されていない。ルーターは、1本の回線で二つ以上のネットワーク相互接続し、複数人数の同時利用を可能にする装置で、ネットワークのかなめである。これまでのルーターは、光信号をいったん電気信号に変換し、処理したあとふたたび光信号に戻していた。このため今後予想される信号処理速度の高速化や消費電力低減に対する要求にこたえることはむずかしい。従来のルーターとは異なり、光信号をそのまま処理する光ルーターは飛躍的な高速化と低消費電力を実現する。現行方式での通信速度は、光通信でも受信側でギガ(10億)ビット級、送信側でもテラ(1兆)ビット級だが、光ルーターが実用化されれば次世代の光通信システムに必要といわれるペタ(1000兆)ビットも可能になるとされている。世界各国の通信機器事業者が開発に取り組んでおり、日本では情報通信研究機構などが中心となって研究・開発を進めている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例