日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルーター」の意味・わかりやすい解説
ルーター
るーたー
router
ネットワークを接続するための中継機器で、一般的にはIPパケットのルーティングを行う装置。
インターネットをはじめとするTCP/IPネットワークは、OSIによってネットワーク構造を七つの層に分けて規定されている。その第3層(レイヤー3)にあたるのがネットワーク層で、通信経路の選択を行うルーティングと、IPパケットによるデータの送受信を担っている。その中継点となるのがルーターである。
データ伝送の基本単位であるIPパケットには、宛先と送信元を示すIPアドレスが含まれている。ルーターは、その情報をもとにしてデータの送受信先を特定するとともに、ルーティング・テーブルという経路情報を参照して中継手順を確定し、実際にパケットを送受信する。また、特定のIPパケットを選別したり、送受信を制限するなどの機能もある。これらの手順を繰り返していくことで、コンピュータ間の相互通信が可能になる。インターネットとは、ルーターによって相互接続された複数のネットワークの巨大集合体といえる。
一般的には、モデムやハブなどの機能を内蔵したブロードバンド接続サービス向けのブロードバンドルーターを、単にルーターとよぶこともある。そのほかにも、無線LAN(ラン)機能をもつ無線LANルーター(Wi-Fi(ワイファイ)ルーター)、持ち運んで使えるモバイルルーター(モバイルWi-Fiルーター)などもある。
[編集部]