光検波器(読み)ひかりけんぱき(英語表記)optical detector

改訂新版 世界大百科事典 「光検波器」の意味・わかりやすい解説

光検波器 (ひかりけんぱき)
optical detector

光通信において,光信号を検出する装置。一般に光信号によって電気的キャリアを作り出し,この動きを外部の回路で検出する。この光電変換作用としては,半導体のバンド間吸収を利用した光起電力効果や光伝導効果,不純物エネルギー準位からの光伝導現象や光電管における光電子放出などがある。光ファイバー通信用光検波器としては半導体で作られたフォトダイオード,アバランシェフォトダイオードなどがある。前者は受光面に入射した光により電子・正孔対が発生する。この発生したキャリアを逆方向にバイアスされたp-n接合の電界により振り分け,電流として取り出す。後者は光の吸収により発生した電子または正孔をp-n接合部の増倍領域でアバランシェ増倍させ,逆方向にバイアスされたダイオードの外部へ電気信号として取り出す。この素子は内部的に増倍機能を有し,高感度でかつ高速性があり,高品質な光通信用に広く利用されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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