乳幼児の体幹背面、とくに尾仙骨部を中心として現れる青色斑をさし、小児斑ともいう。モンゴロイド(黄色人種)に100%近くみられるところから蒙古(もうこ)斑Mongolian spotとよばれたが、白人でも10~20%、黒人では80~90%もみられるので、児斑または小児斑とよばれるようになった。真皮メラノサイトが散在性に存在し、生後2歳ごろまでは青色調が濃くなるが、その後は退色し始め、7~10歳ごろまでには一様に消失する。単一な青色の色素斑で治療の必要はないが、まれに顔面にも出現することがあり、自然消退しない太田母斑との鑑別が必要になることもある。また、顔面頭部のほか、四肢末梢(まっしょう)や体幹腹側にもまれにみられるが、どんなに濃くても児斑であれば自然消退の傾向がある。しかし、なかには成人になっても残存する持続性のものもある。
[齋藤公子]
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