蒙古斑(読み)もうこはん

  • (皮膚の病気)
  • Mongolian spot
  • ×蒙古斑
  • ドイツ
  • 蒙古斑 Mongolenfleck

妊娠・子育て用語辞典の解説

アジア人の多くに見られる、お尻や背中などに見られる青いあざ日本人の約90%にあるといわれます。青く見えるのは皮膚の下にメラニン色素細胞が多いため(ママシミ原因でもある色素です)。そのほとんどは成長とともに薄くなって消えます。

出典 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(母子愛育会総合母子保健センター所長)、子育て編:渡辺博(帝京大学医学部附属溝口病院小児科科長)妊娠・子育て用語辞典について 情報

百科事典マイペディアの解説

主として腰臀部(ようでんぶ)に現れる大小不同の青色新生児では顕著であるが,普通思春期までに自然消失する。肩や四肢などに現れる異所性蒙古斑の場合は,自然消失しないものもあり,レーザー治療やドライアイス,液体窒素などによる冷凍療法を行う。モンゴロイド(アメリカ・インディアンを含む)に最も多く,ニグロイドがこれに次ぎ,コーカソイドにも見られるが頻度(ひんど)は少ない。
→関連項目日本人モンゴロイド大人種

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家庭医学館の解説

 お尻の仙骨部(せんこつぶ)から尾骨部(びこつぶ)にかけて発生する、手のひら大までの青色の色素斑(しきそはん)です。出生時または生後1週から1か月ころに出てきます。
 メラニン色素をつくる細胞が、表皮の下の真皮層(しんぴそう)に残っているためにおこります。日本人では、100%にみられますが、ほとんどが5~6歳までに消えてしまいます。お尻以外の皮膚、上下肢(じょうかし)や胴体(どうたい)に出る青色の色素斑は、異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)といい、こちらは色があまり褪(あ)せないといわれています。

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世界大百科事典 第2版の解説

小児の背部から腰部にかけてみられる青色の斑紋。真皮の深層に色素細胞が多量に存在するために起こる。多くの場合,仙骨部に局限しているが,背中に拡散した場合もある。ほとんどが出生時にすでに認められ,1年後に退色し始める。日本人では出生時99.5%,5歳児62%,10歳児6%の出現率がある。モンゴル人,日本人,中国人,エスキモー,ビルマ人などの蒙古人種に多発(80~90%)するところからこの名でよばれ,マレーシア,ジャワ,フィリピン,サモア,ハワイ,ニコバルなどの住民,さらにアメリカ・インディアン,タミル人,シンハラ人黒人にも見られる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

新生児の仙骨部,尾骨部,ときに腰殿部に認められる大小種々,境界やや不鮮明の青色斑。出生時すぐに存在しているか生後1ヵ月頃までに現れ,7~8歳頃までに消失する。四肢,顔面に生じる同様の斑は異所性蒙古斑といい,自然消失しにくいものもある。本症は蒙古人種に限るとして E.ベルツが命名したが,その後,黒人や白人にもあることが観察され,小児斑とか新生児青色斑と呼ぶほうが適切といわれている。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 黄色人種の幼児の臀部から背中にかけてみられる青いあざ。生後すぐ、または一週間たってでき、七~八歳で消える。児斑。小児斑。
※恋の泉(1962)〈中村真一郎〉「私のお尻には、蒙古斑はなかったのよ」

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六訂版 家庭医学大全科の解説

どんな病気か

 日本人(黄色人種)の臀部(でんぶ)(おしり)に生まれつきある青あざです(通常型)。黄色人種にはほぼ必ずあり、ほとんどが5~6歳で消えます。時に四肢や体幹部などにできる場合があり(異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん))、このタイプは通常型より消えにくい傾向があります。

 皮膚の状態が典型的なので、見た目の診断でわかります。

治療の方法

 通常型はほとんどが自然に消えるのでそのまま経過をみます。異所性のタイプは成長しても消えにくい場合があり、気になるならレーザー(Qスイッチルビーレーザー、Qスイッチアレキサンドライトレーザー)治療がよいでしょう。

病気に気づいたらどうする

 自然経過をみるのが一般的ですが、異所性で見た目が気になる場合はレーザー治療を考え、レーザーを設置している施設で相談してください。

安田 浩

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

世界大百科事典内の蒙古斑の言及

【あざ(痣)】より


[色素細胞系の母斑]
 青色ないし黒色調を呈する。蒙古斑mongolian spotは新生児,乳児の腰部から仙骨部にみられる灰青色斑で,日本人の場合90%以上に肉眼的に認められる。生下時からみられ,その後ある程度増加し,徐々にうすくなり5~6歳までにほとんど消失する。…

【体】より

…身長は中等度ないし低い。新生児,幼児の臀部の皮膚に青色の蒙古斑があることが多い。(3)ニグロイド大人種 皮膚は濃褐色ないし赤褐色,黒色で,体毛はわずかである。…

【人種】より

…今日でも,イギリスに移住した西インドの黒人がビタミンD不足で苦しむとか,アフリカに住む白人が日射病にやられやすい,というように皮膚の色の適応的役割は容易に認められる。5歳くらいまでの幼児の尻から背面の下部に青いあざとして現れる児斑(蒙古斑)は,真皮深層にある大型のメラニン細胞に支配される。モンゴロイドのほとんどに現れ,コーカソイドでは一般に0.5%以下,ニグロイドでは表皮のメラニン色素に妨げられて観察できない。…

※「蒙古斑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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