入らせられる(読み)いらせられる

精選版 日本国語大辞典 「入らせられる」の意味・読み・例文・類語

いら‐せ‐・られる【入られる】

  1. [ 1 ] 〘 連語 〙
    [ 文語形 ]いらせ・らる
    1. ( 動詞「いる(入)」の未然形に、尊敬助動詞「す」の未然形、同じく「られる(らる)」の付いたもの ) 「入る」の尊敬語。おはいりになる。
      1. [初出の実例]「両人共にこなたのかくやへ入らせられたと承て、とる物も取あへず出ました程に、何卒思ひ留て被下い」(出典:虎寛本狂言・鈍太郎(室町末‐近世初))
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]いらせら・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 ( [ 一 ]の一語化したもの。→いらっしゃる )
    1. 「行く」「来る」の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。
      1. [初出の実例]「ハナツミニ yraxeraretato(イラセラレタト) マウセバ」(出典:天草本平家(1592)四)
      2. 「これはこれは、よういらせられましてござります」(出典:歌舞伎・青砥稿花紅彩画(白浪五人男)(1862)三幕)
    2. 「居る」「ある」の尊敬語。補助動詞のようにも用いられる。いらっしゃる。おありになる。
      1. [初出の実例]「御もと様には御ちひさき方さへいらせられ候へば一しほの御忙しさ推し上候」(出典:通俗書簡文(1896)〈樋口一葉〉冬)
      2. 「御在宅で在(イ)らせられまするか」(出典:火の柱(1904)〈木下尚江〉一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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