日本歴史地名大系 「全堺詳志」の解説
全堺詳志
ぜんかいしようし
成立 宝暦七年
写本 国会図書館
解説 「堺鑑」を補足訂正する目的のもとに高志芝巌が起稿し、その没後は弟の養浩が継いで完成させた。上下二巻からなり、境域・陵墓・神祠・古跡・仏閣・人物・土産・名器・通考・年中祭会・寺院総名并宗旨分在所の一一門を収める。「堺鑑」と比較をすると境域・通考・年中祭会・寺院総名が新たに増補されており、また人物・土産両部はそれぞれ七言四句・五言四句の韻語をもって解説しており、新機軸を出している。別に付録が一冊あって堺の盛衰を論じており、当時の堺の位置付けがよくうかがえる。なお本書は成立当時広く世に刊行されず、ようやく大正五年「泉州史料」に収録されたのが最初である。
活字本 浪速叢書第一三・「泉州史料」二
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報