日本大百科全書(ニッポニカ) 「八橋(愛知県)」の意味・わかりやすい解説
八橋(愛知県)
やつはし
愛知県知立市(ちりゅうし)にある一地区。地名は、逢妻男(あいづまお)川の流れが八つに分かれ、八つの橋が架けられていたことに由来。カキツバタの名所で、『伊勢(いせ)物語』の故事にちなむ「八橋伝説地」(県指定名勝)があるが、現在は近くの無量寿(むりょうじゅ)寺境内がカキツバタ観光園になっていて、八橋史跡保存館もある。カキツバタは在原業平(ありわらのなりひら)が当地で詠んだ歌「からごろもきつつなれにしつましあればはるばる来(き)ぬるたびをしぞ思ふ」から有名になり、「八橋」は多くの文学作品に現れる。旧東海道池鯉鮒(ちりゅう)宿は約1キロメートル南にある。
[伊藤郷平]
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