網漁具を構成する際,網地を綱にとりつけるときにたるませる割合。縮結(しゆつけつ)ともいう。網地の長さは網目を完全に引きのばした状態で測るので,網地を同じ長さの綱につけたのでは網の目が開かない。網地の長さ(N)から綱の長さ(R)を引いて,綱の長さで割ったもの(N-R)/Rを外割(そとわり),網地の長さで割ったもの(N-R)/Nを内割(うちわり)という。東北・北海道地方では外割を用いるが,一般には内割を用いる。一定量の網地で面積を最大にするには,網目を正方形にすればよい。この場合,網地の長さは綱の長さの\(\sqrt{2}\)倍が必要で,いせは外割で4割,内割で3割となる。いせが小さいと網目は横長のひし形に,いせが大きいと縦長のひし形になる。定置網の垣網のように少ない網地で面積を広くしたいときは網目が正方形になるようないせにするが,刺網のように魚をからませるような場合は,網にゆとりを持たせるため,いせを大きくする。
→漁網
執筆者:清水 誠
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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