八沢木村(読み)やさわぎむら

日本歴史地名大系 「八沢木村」の解説

八沢木村
やさわぎむら

[現在地名]大森町八沢木

出羽山地に発する楢岡ならおか川・たきさわ川上流の山村

慶長五年(一六〇〇)の大森合戦を記す秋田最上両家関係覚書に「やさぎと申所に宿陣被致候」と出ているが、同一〇年には「八沢木村諸役相定条」(保呂羽山文書)とある。八佐木(出羽一国絵図)夜叉鬼やしやぎ(奥羽永慶軍記)と書くこともあった。沢の多い地形に由来するといわれる。

村の西北端保呂羽ほろは(四三八メートル)上に式内社波宇志別はうしわけ神社があり、その表口参道にあたる。神主大友氏の家伝によれば、天正(一五七三―九二)の頃、横手城主小野寺義道(遠江守)より当村ならびに上溝うわみぞ村・猿田さるた村などに社領五〇〇石を与えられ(与子孫遺書)、文禄五年(一五九六)小野寺・最上合戦の時には「夜叉鬼山の神主大友、遠藤、百余人を具して駆来り」旗本に加わったという(奥羽永慶軍記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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