…用水管理の具体的な権限は国司にあったが,実際には在地の慣行や農民の動向を知悉(ちしつ)する郡司層の力によるところが大きく,用水をめぐる集落の慣行などはこれを認める姿勢を示した。また8世紀の段階で活発に行われていった造池溝や河川の築堤またその修理などの用水工事の労働は,国家によって食糧と賃金が支払われる一種の有償労働で,公功と呼ばれるものであり,民間の有力者が自己の資財によって行う私功と区別された。そしてこの公功を加えてでき上がった設備の中の水は,公水として国家管理下に置くことが主張された。…
※「公功」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」