日本大百科全書(ニッポニカ) 「公開天文台」の意味・わかりやすい解説
公開天文台
こうかいてんもんだい
施設および研究成果を一般に公開している天文観測所。1990年代、日本各地で科学館やプラネタリウムが建設され、そこに数多くの望遠鏡が設置されたが、それらのなかに公開天文台という形をとるようになったものがある。一般市民に天体観測を体験させる観望会や一部の研究用観測に望遠鏡を開放している。公開天文台は国立天文台や大学などが設置する研究機関としての研究天文台とは区別される。
インターネットでの情報公開や情報共有が、またいくつかの公開天文台では望遠鏡の口径の巨大化が進み、単なる観望にとどまらず、一部本格的な研究にも利用されている。2005年(平成17)には全国の公開天文台の連携と情報交換などを目的とする日本公開天文台協会が発足。2022年(令和4)3月時点で、日本公開天文台協会加盟の施設会員(公開天文台)は約130。おもなものとしては、なよろ市立天文台きたすばる(北海道名寄市、160センチメートル望遠鏡)、銀河の森天文台(北海道陸別町、115センチメートル望遠鏡)、仙台市天文台(130センチメートル望遠鏡)、群馬県立ぐんま天文台(高山村、150センチメートル望遠鏡)、兵庫県立大学西はりま天文台(佐用町、200センチメートル望遠鏡)、みさと天文台(和歌山県紀美野町、105センチメートル望遠鏡)、鳥取市さじアストロパーク(103センチメートル望遠鏡)、美星天文台(岡山県井原市、101センチメートル望遠鏡)、阿南市科学センター(徳島県阿南市、113センチメートル望遠鏡)、星の文化館(福岡県八女市、100センチメートル望遠鏡)、石垣島天文台(沖縄県石垣市、105センチメートル望遠鏡。協会非加盟)などがある。
[編集部 2023年2月16日]