六崎(読み)むつさき

日本歴史地名大系 「六崎」の解説

六崎
むつさき

高崎たかさき川に面する台地上にあたり、印東いんとう庄のうち。六崎のほか石川いしかわじよう高岡たかおかなどにも及んだと推測される。建長二―三年(一二五〇―五一)頃と推定される一〇月一〇日の胤氏書状(中山法華経寺蔵「天台肝要文」紙背文書)に「蓮華王院用途宛銭六崎篠塚分三貫八百文」とあり、胤氏は京都蓮華王院(三十三間堂)造営用途として、六崎・篠塚しのづか分の三貫八〇〇文を賦課され、千葉氏に仕える法橋長専にまずは三貫二〇〇文を進上するとしている。胤氏は鎌倉期以来当地名字の地とした六崎氏とみられる。神代本千葉系図などには千葉胤将の子として六崎六郎胤朝がみえ、胤朝の子孫は六崎氏と称した。本土ほんど(現松戸市)が所蔵する梵鐘の建治四年(一二七八)三月一一日付の銘文に「下総国印東庄六崎大福寺」とあり、応永七年(一四〇〇)三月二三日の奥書をもつ宇賀神供祭文(金沢文庫文書)大福だいふく寺で書写された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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