六方野(読み)ろつぽうの

日本歴史地名大系 「六方野」の解説

六方野
ろつぽうの

江戸時代の野で、入会秣場などとして利用された。「佐倉風土記」には千葉・印旛いんば両郡の間にあり、北西小金こがね南東東金とうがねの野に連なる一帯で千葉野と総称するという。「万葉集」巻二〇にみえる「千葉の野の児手柏の含まれとあやにかなしみ置きてたか来ぬ」はこの野であろう。江戸時代初期には宇那谷うなや村と園生そのう(現稲毛区)小名木おなぎ(現四街道市)の運上野であった。寛文一二年(一六七二)長沼ながぬま池西側の開発により長沼新田(現稲毛区)成立した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の六方野の言及

【四街道[市]】より

…市名は市街地西部の佐倉街道と成田街道との交差点を,四街道と呼んだことに由来する。市域は下総(両総)台地の一部である下志津原に広がり,かつては六方野(ろつぽうの)と呼ばれる原野で,近世には佐倉藩主らの鷹狩の場所であった。ここに幕末になって佐倉藩の砲術練習場,1874年には陸軍練兵場,86年陸軍砲兵射的学校(のちの砲兵射撃学校)が置かれ,軍都として発展した。…

※「六方野」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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