演習地(読み)えんしゅうち

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

地上部隊の教育訓練演習のために使用する特定の地域。一般に演習場という。海上部隊用のものは演習海面、航空部隊用のものは演習空域とよばれる。演習場は特定されているが、演習海面、演習空域は特定されているものと、随時期間を限って設定されるものとがある。1998年度(平成10)末現在、日米安保条約に基づいてアメリカ軍に提供されている演習場(射爆撃場を含む)は17か所、ほかに自衛隊のものを共同使用しているのが33か所ある。演習空域23か所(ほかに随時設定される)、演習海面31か所となっている。自衛隊の演習場は大中小あわせて71か所、射撃場は76か所、演習空域は24か所、演習海面は24か所で、海空それぞれが必要のつど設定されている。自衛隊の戦力強化に伴い、特定の海空域が毎年設定されるケースが増えている。これらの演習空域が日本全土および周辺の空域を覆っているため、民間機と軍用機とのニアミスを多発させる原因となっている。冷戦後、米戦略の重点が「ソ連対処」から周辺地域での「紛争対処」に変わったため、紛争対処のための超低空飛行演習が、海軍機・海兵隊機によって演習空域と関係なく全国各地で強行されるようになり、被害が激増している。演習場、射爆撃場などは周辺住民の安全や生業に対する影響が大きいので、アメリカ軍の演習場の場合は、日米合同委員会で合意された明細な使用条件を、必要な限度において「使用条件」として周辺住民の関係自治体に通告している。沖縄の場合は、復帰にあたり、演習場ごとにではなく沖縄全体を一括した「5.15メモ」という形で提示された。

 自衛隊演習場の場合は、国と周辺住民の関係自治体、あるいは関係権利者との間で、演習場使用協定が締結されている。

[林 茂夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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