江戸時代、飼料・肥料採取を目的とした原野。秣は牛馬など家畜の飼料にあてる草をいい、秣場は本来それらの草を採取する場所をさすが、田畑の肥草(こえくさ)(刈敷(かりしき))を採取する場も秣場と混同して称した。それは、戦国時代以来の戦乱の終結とともに、江戸初期には軍馬の需要が減ってその数が漸減したことと、新田開発による刈敷の需要が増加したこととが相まって、秣場が刈敷採取の場に変化したにもかかわらず、秣場の名称だけは相変わらず残ったような事情が一因にあげられる。しかし軍馬は減っても、旅客や貨物の運搬に街道を往来する荷馬は絶えることがなく、商品経済の発展とともにその需要は増したから、これらの荷馬および農耕牛馬を飼育する所では、本義の秣場として利用されたことはいうまでもない。なお、秣場は通常、村・集落単位の入会(いりあい)場であることが多い。
[飯岡正毅]
…日本の近世期における農用林野利用の一形態。小農が自立して本百姓となり,本百姓(高持百姓)を村落構成員とする近世村落(小農村落)が成立すると,自立した本百姓の生産・生活を維持・補強するために,村落構成員(本百姓)のすべてが村落規制のもとにある入会地(刈敷山(かりしきやま),柴山,秣場(まぐさば),萱場(かやば)など)に対して共同の利用権を持つ。このような農用林野の利用形態が村中入会で,林野に対する近世領主権の支配の確立と,そのもとにおける小農の本百姓への自立とをまって,はじめて成立する。…
※「秣場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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