六萬寺(読み)ろくまんじ

日本歴史地名大系 「六萬寺」の解説

六萬寺
ろくまんじ

[現在地名]牟礼町牟礼

源氏げんじヶ峰(二一七・二メートル)の南西麓にある。眉間山白毫院と号し、真言宗善通寺派。本尊阿弥陀如来。寺伝によると天平年中(七二九―七四九)悪疫が流行、行基が勅を奉じて当寺を草創して祈願したところ疫病は終息し、禾穀が大いに稔ったので国豊寺と号した。その後、七堂伽藍が備わり、薬師の銅像六万体を安置したので六萬寺と称し、牟礼・大町おおまちに四二の子院を有し、寺域も広大であったという。宝蔵院古暦記(松浦文書)には天長四年(八二七)真済が六萬寺を建立したとあり、天正一〇年(一五八二)焼失以前の寺地とみられる鐘撞堂跡からは藤原期の古瓦が出土している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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