普及版 字通 「兮」の読み・字形・画数・意味
兮
4画
(異体字)
4画
[字訓] や
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
鳴子板の形。〔説文〕五上に「語の稽(とど)まるなり」とあり、兮・稽の畳韻を以て訓する。また字形について「(かう)に從ひ、は气の越(ゑつう)するに象る」とあって、气の余声を写したものとするようである。兮の卜文・金文の字形は、板の上に遊舌を結んで、振って鳴らす鳴子板形式のもので、音曲の終始の合図などにも用いたものであろう。〔老子、四〕の「淵兮として物の宗に似たり」を〔河上公本〕に「淵乎」に作る。乎は板上に遊舌が三つある形、兮は遊舌が二枚で、兮・乎はまた声義の近い字である。
[訓義]
1. 語末にそえ、語勢を示す。よびかけのほか、や・か・よのように、詠嘆・疑問・強意・決定・命令の意を含むことがある。
2. 句中にあって、上の語を主語、あるいは領格として示すことがある。
3. 乎と通じ、状態を形容する語を作る。
[部首]
〔説文〕に・羲・乎の三字を属する。はまたに作り、恂の繁文。羲は義にを加えた形。義は犠牲の羊に我(鋸(のこぎり)の象形)を加えて、牲体を割く形で、はその下肢の垂れる形。この二字は兮と関係がない。乎は遊舌三、兮は遊舌二の鳴子板で、ともに象形の字である。
[熟語]
兮呀▶
[下接語]
晏兮・淵兮・兮・渙兮・簡兮・兮・儼兮・忽兮・瑳兮・兮・綽兮・兮・猶兮・楽兮・爛兮・兮
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報