大学事典 「共同学位」の解説
共同学位
きょうどうがくい
複数の大学が相互に教育研究資源を有効に活用し,共同して一つの教育プログラムを編成し,その修了者に対して授与される学位,もしくは当該教育プログラムそのものを指す。日本国内では,2008年(平成20)の大学設置基準(第43~49条),大学院設置基準(第31~34条)等の改正により制度化された。当該規程に基づく「共同教育課程(日本)」では,複数の構成大学が連名で一つの学位記(日本)(ジョイント・ディグリー(日本))を授与するものとされている。一方,外国の大学との間では,大学の設置認可の方式・基準等が異なることから同規程に基づく共同学位は適用されない。そのため,単位互換協定等を活用して他の大学における学生の履修を相互に単位認定し,同時に複数の教育プログラムを修了したものとみなして,学位を授与する場合がある。この場合,日本の大学からは日本の法令に基づく学位が,協定先の大学からは当該国の制度に基づく学位がそれぞれ授与されることとなる。こうしたケースも広義の共同学位に含まれると考えられるが,複数の学位記が授与されることから「ダブル・ディグリー(日本)」と称されるのが一般的である。
著者: 濱中義隆
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報